MMAの技術の相性の雑感

やっぱり強い弱いという話では解像度が低いのだと思う。
ホントに強弱一本であるなら、弱いやつは強いやつに勝たないハズ。

ジャブを打つのも、入ってからジャブを打つのと、ジャブを打ちつつ入るのと、ジャブを打ってから入るのですべて違うはず。
脇を締めて打てば常に正しいというのは一種の信仰で、近ければ脇を開いて相手のガードの外から当てるのもいる。

バックステップを多用するのは、見せるだけでも反撃するか、安全圏について安心するかでレベルが全く違う。
離れて離れっぱなしでは、逃げてるのと変わらない。

スウェーで打撃を外すのは、咄嗟にやりやすいから相手がノーモーションでも対応できるけど、伸びる打撃を使う相手からはコツコツもらい続けてしまう。
頭を振ってよけるのは、高い蹴りを使う相手には蹴るチャンスを与えてしまいやすい。

ガードで受けるのはほとんどの攻撃に対応できるが、隙間は常に狙われるし、クリンチに切り替えられると後手に回らざるをえない。

ノーモーションのパンチはニグロがやたら多用してる気がする。黒人は基本として使うのに、日本人の使い手が少ないのは人種の差ではなく、基本の教わりかたの差ではないかな。
リーチのある選手は、手先から動いて先ず当てる事を優先するけど、日本での基礎は基本的に体幹から動いて当てる。
体幹から動くとコンビネーション効くし威力も出るけど、モーションを隠す難易度がとても高い。手先から動くと、シルエットが変化した時点ではもう動いてるので、脇をしめるまでもなくモーションが隠されてる。

このへん上手く見分ければ番狂わせを予想しやすそう。

ヌルマゴのテイクダウンの特徴の雑感

ヌルマゴの組みは、パスガードと一体。

パスガードを想定して投げるというのか。

そうしたいけどそうはいかないのがMMAってやつ。

 

狙いは腰への低いタックル。

狙いは腰なんだけど、そのためにワンツーやアッパー、ミドルにハイまでうつ。細かいステップで相手の距離感を狂わせて、頭も良く動かして止まらない。

立ち技も決してレベルは低くない。あまりあてにしてないだけ。

TDDをさせないためにスタンドを餌にするけど、キッチリ切らせなければ良い。

タックルに完全に入れば持ち上げて、投げきった時点でサイドポジションを得る。完全に決まらなければ、尻餅つかせるかケージに押し込む。

背中をつけさせる為に押さえ込みに行くと、相手にガードポジションをとられやすい。

立てる余地を残すことにより、ガードに入る時間を削ってく。

ケージに押し込んでも同様で、敢えて逃げる余地を作ってバックを奪う。

トップキープを維持するバランスも大変強力だけど、ポジションを奪う為の戦術が新しい。

抵抗することそれ自体がど坪にはまるように計算されてる。

ヌルマゴさいきょー

 

ヌルマゴvsポイエー所感

ポイエー予想より良い。早めにやられたけど。

なんでこんな前でるのかと思ったけど、下がるとパンチで追われるからか。

ローやミドルで後ろ重心にヌルマゴを導いてたけど、そもそもヌルマゴは後屈気味からテイクダウン入れる。セオリーだからやりゃいいってもんじゃないね。

ヌルマゴのタックルは、その場で脚を掬うのはそこまで精度高くない。壁に押し付けてからが本領。

今回はあっさりバック取りまくってたけど、ケージ背負わせるのはメチャクチャ上手い。背負って何するかまで考えた上で、背負わない作戦練らんとね。

ヌルマゴのテイクダウンは良く転がす。ほんとに良く転がす。たぶんこれ相当体力使ってない。

あんだけケージに押し付けたらバテる。でもヌルマゴは全くバテてない。体力が多少勝っても関係ないくらいバテてない。

力抜いて、相手に体重かけるのが上手い。

トップキープも凄まじく重いなんて話もあるし、勝負所まで脱力するんじゃなくて、勝負所こそ脱力してる。

力抜くと相手の動き伝わるし、泳がして裏をかいて寝かせる、ヌルマゴのスタイルにはピッタシ。

ケージに追い込んでもたれ掛かり、相手の足掻きの裏をかいて転がす。

立たせないより転ばせるって感じ。

 

ヌルマゴには先ずスタンドだけど、スタンドに拘らずテイクダウンでもいくべきじゃないかな。ディフェンス成功率は八割こえてるし、そこで勝負かけても余り意味がないだろうけど、そこから逃げたらもっとダメ。

MMAだし全局面で勝負しよう。ヌルマゴだってパンチも飛び膝も出すぞ。

底辺ベッターの推測 アデサンヤとウィテカー

アデサンヤにベット。2.55倍だって。そんなに負けそうか?

けっこう拮抗してると思うけどどうなんだ。

 

正直、ウィテカーって言うとパーネルの方思い浮かぶ。

ロメロとの試合なんか見てると、ウィテカーは良い選手っすわ。下段踏み蹴り、上段蹴り、バリエーションはなかなか多いし精度も高い。

バテても削りに徹してくし、ジャブも前傾になりつつ打ってくこともできる。立ち際でスコンと当てる能力も高い。

 

アデサンヤは長身で早い。ワンツーきれいに打てて、奇襲技をよく打つ。単にお茶目ということもあるだろうけど、メタ認知とでも言うのか、意表をつくことが一番有効で、その手段をよくわかってる。

キック出身の癖に腰が強い。首相撲もそこそこ。

 

ウィテカーはアデサンヤのジャブや膝をどう潜って削るかだろうね。そりゃそうか。

動き回る相手に蹴り当てるの面倒だし、削り合ったら良い勝負すると思うんだよね。アデサンヤはリーチの長さを活かした打撃上手いし、前手をつっかえ棒にして回れる。ガステラム戦を見て、プッシュを潜って腹から削るプランな気がするんだ。上にも散らせるだろうけどさ。腹くくってアデサンヤが膝で止めれてたら、転がされるかあっさり押しきると思う。

 

どっちにせよ五分かな。割安なのでアデサンヤ。

底辺ベッターの推測 ヌルマゴvsポイエー

ポイエーとヌルマゴの試合、ヌルマゴにベット。ヌルマゴ4-5Rあたりで一本かなって。ヌルマゴの一本勝ち予想で2.2倍。

ヌルマゴはめちゃくちゃ減量きついっぽいけど、ポイエーは下から階級上げた選手。ヌルマゴはスタミナ相当あるし、体格差がある。

ヌルマゴはテイクダウンがめちゃくちゃしつこいし、テイクダウンに意外なほど拘らない。転がすのが上手いだけでこだわってはいない。

真っ直ぐの打撃はほとんど打たない、フックかアッパーが主力。後屈気味に構えて、よく動く。頭を下げる動きが、パンチかタックルか両方かわかりづらいので大いに厄介であると思う。

ポイエーは比べればボクシングが上手い。サウスポーに構えるがスイッチおおし。ジャブがよく走る、よく伸びる。ガードを縫ってぽんぽんと入れる。ダーティーボクシングでレスリングをつぶして勝負をかけることもできる。バランスがよい。

 

ポイエーは今回、TDDよりむしろ、転がされてもすぐに立つ練習をしていると思う。

ジャブをコツコツあてる。打撃はブロックすると組んで投げられるので、ステップでいなし、追い込まれたら投げられてもしょうがない。でもすぐ立つ。強打は下がるか怯むまであてにいかない。

ヌルマゴは、左右のフックバンバン振って金網に追い込み、組んだら転がしてパウンドで削るかなと。打撃はあえて外す気はないにしても、頼らないと思う。外すかブロックかを確認したい動きをしそう。

 

ヌルマゴは単純に大きいし、射程外から膝下に組み付いてしつこくもいける。相討ち狙いで振って、ついでに組むこともできる。

 

ヌルマゴ有利かなー

 

序盤はポイエーがジャブや入れ換えるフック、スタンド当てつつ回って見せる展開もあるかもしれない。だんだんヌルマゴのプレッシャーで追い込まれたら、中盤で捕まり、後半で極るかな。

パウンドは隙間作らないといけないし、きっちり上とらないと立たれやすい。殴り削って、泳がして極めに誘い込むと予想

堀口負けたんだな

つら

RIZINで連戦しまくってた堀口がまさかの一分負け。二年で12試合は多いわ。

堀口の武器とその弱点がばれて非常に悲しい。

堀口の武器は超遠距離からの飛び込み。

堀口は基本的に三パターンの入り方をする。

スイッチしながら、ツーステップ、膝抜き、この三つ。

離れたとこからはスイッチしながら飛び込み、遠距離から中間距離ならツーステップ、近距離か蹴りに被せるのは膝抜き。

朝倉海は、おそらくこのツーステップ(何と呼んでるか知らないが)に標準を合わせた対策を練ってた。

堀口はいきなりいつでも飛び込めるわけじゃなく、下準備を徹底する。リングやケージを駆け回り、フェイントで硬直させて、隙をつくる。この硬直を作り出すことが飛び込む為の肝である。

朝倉海は、逆にフェイントを返して、硬直しなかった。海からいかなくとも、フェイント返されると飛び込めない。体が守りの反応を示してしまうから。

堀口のキャリアでは初のはずだ。超遠距離は彼の距離で、そこで張り合おうとした選手はいなかった。

 

フェイントの掛け合いで、圧倒的な優位が得られないと理解した堀口は、中間距離に活路を求めた。

堀口はジャブをほぼ打たない。膝抜きからのプッシングは崩しに使い、コンビネーションの二つ目でダメージを与える。距離を測るのは右ローや左ミドルだ。

左ミドルは苦手なのか軽い。スタンドの上手い選手にはほぼ打てない。右ローを選んだ。


f:id:uekaraittaro:20190822013104j:image

普段であれば、右ローは空振りしても良い。外れて相手が逃げた距離こそ、堀口が優位になれる距離だから。しかし朝倉海は、空振りした堀口の背中を追って飛び込み


f:id:uekaraittaro:20190822013149j:image
飛び膝を見せた。


f:id:uekaraittaro:20190822013206j:image

入ればそこで試合が終わる可能性がある。右ローも抵抗があり、空振りするような距離では打てない、つまり右ローで距離を測ることも難しくなった。

蹴りで距離を測ることへの抵抗感を植え付けることに朝倉陣営は成功した。

 

朝倉陣営の賢いところは、距離感を狂わし、超遠距離を封じた上で、後ろに下がったことだ。

 

扇久保としたときもその傾向はあったが、下がる相手にはワンツーで追ってしまう。

海は下がるのではなく誘い込んでいた。無意識に堀口が追ってワンツーを打ったところ、ツーに狙いすましてズドン。

 

あとはもうご存じの通り。

次で堀口が勝つのは、立ち技では難しい。凄まじく研究されていた。テイクダウンで漬け込むのが最善だが、それでは堀口本人は勝ったと思えないだろう。

 

堀口を支えていた空手を壊されたショックは大きいと思われる。どうすんのかな。復活してくれ。